
近年、外食分野で雇用している外国人材に特定技能2号への移行を推奨する職場が増えています。外食分野では、特定技能2号に移行するためにさまざまな要件を満たすことが必要となります。
特定技能1号の在留資格で滞在できる期間は、基本的に5年までです。在留期限のギリギリに要件を満たしていないことが判明すると、貴重な戦力を帰国させざるを得ないリスクにつながってしまいます。
今回は、外食分野の外国人材が特定技能2号に移行するための要件や、要件をスムーズに満たすためのポイントについて解説します。外食分野における特定技能2号への移行要件に関心のある企業の経営者や人事、教育担当者の方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
外食分野で特定技能2号に移行するための要件とは
外食業の特定技能2号に移行するために、外国人材本人が満たすべき主な要件は、次の3つです。
- 技能要件:外食業分野特定技能2号評価試験への合格
- 日本語要件:JLPT N3以上への合格
- 実務要件:複数の従業員を指導・監督しながら接客を含む作業に従事し、店舗管理を補助する者としての2年以上の実務経験
参照元:外食業分野(出入国在留管理庁)
特定技能2号への移行に必要な技能要件
外食分野で特定技能2号に移行するためには、外食業分野特定技能2号評価試験に合格する必要があります。外食業分野特定技能2号評価試験では、特定技能1号よりも高度な専門性が求められるほか、「店舗管理」などの設問ではマネジメントに関する知見が求められます。
ここでは、技能試験の要件をクリアするためのポイントについて解説します。
- 基本的には受験前日までに実務要件を満たす必要がある
- 外国人材個人での試験申込みができない
- 日本語の読解力が求められる
参照元:外食業分野特定技能2号評価試験 国内試験案内(一般社団法人外国人食品産業技能評価機構)
基本的には受験前日までに実務要件を満たす必要がある
1つ目は、受験日の前日までに実務期間に関する要件を満たす必要があることです。
外食業分野特定技能2号評価試験を受験する場合には、基本的に受験日の前日までに実務経験の要件に定める業務に2年以上従事していることが求められます。要件を満たしていない場合でも、受験日から6か月以内に実務要件を満たすことが見込まれている場合は受験することが可能です。
受入機関としては、受験までの間に実務期間に関する要件を満たすことができるよう、計画的に外国人材のキャリアアップに取り組むことが必要です。
外国人材個人での試験申込みができない
2つ目は、外国人材が直接試験申込みの手続きを行うことができないことです。
2026年現在、外食業分野特定技能2号評価試験は、外国人材個人からの試験申し込みができない仕組みになっています。外国人材が試験を受けるためには、当該外国人材が特定技能2号に移行した際の雇用主となる法人が申し込みを行わなければなりません。
そのため、基本的には受入機関側の担当者が外国人材とコミュニケーションを取りながら必要な時期に試験申込みの手続きを行う必要があります。
日本語の読解力が求められる
3つ目は、高度な日本語の読解力が求められることです。
外食業分野特定技能2号評価試験の言語は日本語となっています。また、問題文に登場する漢字にはふりがながつきません。このような試験の性質から、試験内容を十分に理解していたとしても、日本語能力の面で時間切れとなってしまうことがあります。
試験時間内に余裕を持って問題を解き切るためには、外国人材の読解力を高めることが必要となります。試験では店舗管理に関する専門用語が多く出題されるため、業務日誌や衛生管理マニュアルを自力で読み解く練習が合格の近道となります。
また、新聞やエッセイなどのビジネスレベルの日本語を読む習慣をつけると、無理なく読解力を伸ばすことができるためおすすめです。
特定技能2号への移行に必要な日本語要件
外食分野においては、接客などの場面で高度な日本語でのコミュニケーション能力が必要となります。そのため、他の特定産業分野とは異なり、特定技能2号への移行の際に技能試験に加えてJLPT N3以上の日本語試験への合格が求められます。
ここでは、日本語試験の要件をクリアするためのポイントを紹介します。
- 受験可能な時期が限定的である
- まとまった学習期間が必要となる
受験可能な時期が限定的である
1つ目は、受験可能な時期が限定的であることです。
JLPTは基本的に年2回の開催となっています。通年で受験することができないため、あらかじめ受験時期の目安を決めておき、計画的に試験対策を進める必要があります。
また、直近の統計である2025年12月時点でのJLPT N3の合格率は31.2%と低くなっています。そのため、もし試験に不合格になっても受け直しができるよう、なるべく早いタイミングから試験対策に取り組むことをおすすめします。
参照元:過去の試験のデータ 2025年12月データ(日本語能力試験 JLPT)
まとまった学習期間が必要となる
2つ目は、まとまった学習期間が必要となることです。
JLPTでは、言語知識に関する問題、読解問題、聴解問題が出題されます。試験範囲が広いため、学習に一定の時間がかかることが特徴です。
加えて、JLPT N3の試験では、これまで「話し言葉」を中心としていた出題内容が「書き言葉」に移行します。書き言葉とは、新聞やエッセイなどに活用されるビジネスレベルの日本語です。難易度がぐっと上がるため、十分な試験対策が必要となります。
標準的な学習期間は500時間程度と見込まれています。1日あたり1時間程度の学習を毎日継続するとしても、全ての内容を理解するまでには約1年5か月がかかる想定です。
企業としては、外国人材にスムーズに特定技能2号に移行してもらうためにも、計画的に学習に取り組むことを促す必要があります。
特定技能2号への移行に必要な実務要件
特定技能2号に移行するためには、一定の実務経験が必要となります。具体的な実務要件は次のとおりです。
- 食品衛生法の営業許可を受けた飲食店において、複数のアルバイト従業員や特定技能外国人等を指導・監督しながら接客を含む作業に従事し、店舗管理を補助する者としての2年以上の実務経験
ここでは、特定技能2号に移行するために必要な実務要件を満たすうえでのポイントについて解説します。
- 複数の従業員に対する指導・監督経験が求められる
- 店舗管理を補助した経験が必要となる
- 役職の付与が推奨されている
参照元:特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領 -外食業分野の基準について(法務省・農林水産省)
複数の従業員に対する指導・監督経験が求められる
1つ目は、複数の従業員に対する指導・監督経験が求められることです。
特定技能運用要領によると、2年以上にわたって、2名以上のアルバイト従業員や特定技能外国人などを指導・監督する実務に携わることが求められています。
このとき、指導・監督を受ける従業員の国籍、在留資格、職責などは問われません。また、職場の状況やシフトの都合により、常時2名以上いる体制でなくても良いとされています。
店舗管理を補助した経験が必要となる
2つ目のポイントは、店舗管理を補助した経験が必要となることです。
店舗管理の補助とは、店長や事業所責任者が行う店舗管理の業務を補助する業務経験を指します。具体的には、衛生管理全般、求人・雇用に関する事務、顧客情報の管理、会計事務管理、食材・消耗品・備品の補充・発注・数量管理などが挙げられます。
外食業分野特定技能2号評価試験においても、これらの業務に関する問題が多数出題されます。スムーズに特定技能2号に移行するためにも、店舗管理業務に従事してもらう経験を段階的に増やしていくことが必要です。
役職の付与が推奨されている
3つ目のポイントは、役職の付与が推奨されていることです。
特定技能運用要領では、外国人材が店舗管理業務に従事していたことを証明しやすくするために、辞令や職務命令書などで役職を付与することが推奨されています。技能試験の申込の際に提出が求められる実務経験証明書には、役職名を記載する欄が設けられています。
辞令などを活用して、役職に関する客観的な記録を残しておくことが、審査をスムーズに進める鍵となります。
付与する役職としては、次のようなものが想定されています。
- 副店長
- サブマネージャー
- サブリーダー
- サブチーフ
- 班長
- 担当部門長
- 事業所副責任者など
任せられるようであれば、店長・事業所責任者として店舗管理に従事していても構いません。
特定技能2号の要件をクリアするために企業側が準備すべきこと
企業としては、雇用している外国人材に特定技能2号に移行してもらうために、どのような準備を進めておくべきなのでしょうか?ここでは、特定技能2号の要件をクリアするために企業側が準備すべきポイントを解説します。
- 計画的なキャリアアッププランを明示する
- 辞令・職務命令書を交付する
- 外国人材の特定技能2号への移行のモチベーションを高める
- 外国人材にとって続けやすい学習教材を提供する
計画的なキャリアアッププランを明示する
まず、計画的なキャリアアッププランを明示することが必要です。
外国人材が特定技能2号の要件を満たすためには、店舗管理を補助する者としての一定の実務経験が必要となります。また、基本的には実務要件を満たしていないと技能試験を受験することができません。
特定技能1号の在留期間は、最長でも5年となっています。そのため、スムーズに移行するためには、なるべく早い段階で店舗管理を補助する者としての実務経験を積んでもらうことがポイントとなります。
企業としては、採用した段階からキャリアアッププランを明示し、育成計画に沿って教育指導を行うことが必要です。
辞令・職務命令書を交付する
外国人材に対して辞令・職務命令書を交付することも重要なポイントです。
技能試験の申込の際には、実務経験証明書の提出が必要となります。実務経験証明書をスムーズに記入し、事実確認の問い合わせの際に滞りなく対応するためには、外国人材が実務経験の要件を満たしていることを示す証跡を残しておくことが必要となります。
キャリアアップの際に副店長、サブマネージャーなどの役職を命じ、辞令もしくは職務命令書を交付しておくことで、試験申込を進めやすくすることができます。
外国人材の特定技能2号への移行のモチベーションを高める
外国人材の特定技能2号への移行のモチベーションを高めることも非常に重要です。企業側がどんなに外国人材に特定技能2号に移行してほしいと思っていても、当人にその気がなければ移行してもらうことはできません。
特定技能1号の外国人材の多くは、特定技能2号への移行を目指して来日しています。一方、日本の職場環境になかなか馴染めなかったり、労働条件や人間関係の面で不満があったりすると、移行へのモチベーションが下がってしまう要因になります。
企業としては、採用時点で特定技能2号への移行を目指しているかどうかを確認することが必要です。そのうえで、入社後に当人の意欲を削ぐことがないよう、外国人材にとって働きやすい職場環境づくりに取り組むことが求められます。
外国人材にとって続けやすい学習教材を提供する
外国人材にとって続けやすい試験対策用教材を提供することも重要なポイントです。
外食業の場合、特定技能2号へ移行する際に技能試験だけでなく日本語試験の合格も必要となります。それぞれ難易度の高い試験となっているため、仕事と試験対策を両立することが非常に難しいです。
スムーズに特定技能2号に移行してもらうためには、外国人材にとって続けやすい学習教材を企業側が提供することが求められます。
当社ワールドインワーカーでは特定技能2号への移行を力強く支援するe-learningサービス「NIMON」を提供しています。スマートフォンからスキマ時間にコツコツ学ぶことができるので、効率的に学習時間を増やすことができます。気になる方はお気軽にお問い合わせください。
外食分野における特定技能2号への移行はワールドインワーカーにお任せください
外食分野で特定技能2号に移行するためには、「技能要件」「日本語要件」「実務要件」の3つの要件を満たす必要があります。外国人材が技能試験・日本語試験に合格するためには、受験時期から逆算して余裕のあるスケジュールで学習に取り組んでもらうことが必要です。
また、実務要件をもとにキャリアアッププランを作成の上、外国人材が従事できる仕事を段階的にレベルアップしていくことも求められます。
特定技能外国人の教育に慣れていない企業にとって、これらの支援を自社だけで進めていくことは非常に困難です。特定技能2号への移行を実現するためには、登録支援機関からの力強いサポートや、試験対策を効率的に進めることができる教育機会の確保が欠かせません。
ワールドインワーカーでは、外食分野の特定技能外国人の採用・教育・定着支援を実施しています。独自に開発しているe-learningサービス「NIMON」を活用すれば、外国人材の特定技能2号試験の合格を力強く支えることが可能です。
最後に、雇用している外国人材の特定技能2号への移行にお悩みの外食業の企業を対象に、ワールドインワーカーのサービスを紹介します。
ワールドインワーカーとは
ワールドインワーカーでは、国内特定技能外国人に特化した人材紹介事業・登録支援事業を提供しており、採用マッチングから在留資格の申請、入社後の生活支援・トラブル対応までワンストップでサービスを展開しています。
飲食業に特化した人材サービス事業を営む上場企業「クックビズ」のグループ会社でもあるため、「飲食業特化の外国人材紹介」として、より多くの企業様に安心してご利用いただくことが可能となっています。
ワールドインワーカーの人材紹介事業の概要
ワールドインワーカーは、2014年の留学生アルバイト支援を起点に、約10年にわたり外国人材領域に特化した人材紹介事業を展開してきました。
国内在留者へのリーチに強みを持ち、独自のマーケティング基盤により年間約10,000名の登録を獲得しています。この集客力と領域特化の知見を武器に、企業と外国籍人材双方に最適なマッチングを実現しています。
ワールドインワーカーで紹介している外国人材には、次のような特徴があります。
- 国内に在留しており、既に特定技能の資格を有している方が中心
- 飲食業界での実務経験がある
- JLPT N2~N4相当の日本語能力がある
- ベトナム、ミャンマー、インドネシア、ネパールなど多様な国籍の方を紹介できる
また、ワールドインワーカーでは、候補者との面談・コミュニケーションを原則日本語で実施しています。これにより、実務に耐えうる日本語レベルの見極めはもちろん、業務理解度や価値観、働く姿勢といった定着に直結する要素まで丁寧にスクリーニングすることが可能です。日本語で深い対話を重ねたうえで紹介を行うため、入社後のギャップが少なく、高い定着率につながっています。
ワールドインワーカーの特定技能2号試験合格に向けたe-ラーニングサービス
ワールドインワーカーでは、外国人材の特定技能2号試験の合格を力強く支えるe-learningサービス「NIMON」を提供しています。
「NIMON」は飲食業界に特化したオンライン学習教材です。動画コンテンツを通して、外国人材の役割に応じた以下のようなスキルを段階的に学ぶことができます。
- 一般社員レベル:文化の違い、飲食人の身だしなみ、接客オペレーションなど
- 副店長レベル:OJTトレーナー養成、リーダーシップ、コーチングなど
- 店長レベル:人材採用、危機管理力、クレーム対応など
特定技能2号試験に向けた学習の土台となる接客・衛生・コミュニケーション・クレーム予防といった知識についても、動画でわかりやすく学ぶことができます。
動画教材は「やさしい日本語」で作成されており、登場する漢字にはすべてふりがながついています。そのため、日本語が不安な外国人材でも安心してご利用いただくことが可能です。
また、スマートフォンやタブレット端末から学べるので、休憩中や通勤中などのスキマ時間を有効活用して学習に取り組むことが可能です。
「NIMON」は、初期導入費がかからないサービスです。また、登録支援セットプランでご契約いただいた場合は料金は登録支援委託料に内包されるため、実質0円で使い続けることができます。
登録支援機関によるサービスの延長で学習を進めることができるため、予算の少ない企業様でも安心してご検討いただくことができます。
まとめ
外食分野で特定技能2号に移行するための要件は、「技能要件」「日本語要件」「実務要件」の3種類となっています。それぞれ難易度の高い要件となっており、受入機関側の協力がなければ外国人材が要件をクリアすることは極めて困難です。
また、外国人材が特定技能1号の在留資格で在留できる期間は最長でも5年となっています。特定技能2号への移行を成功させるためには、あらかじめ移行に必要な要件を整理し、学習期間などを加味した移行スケジュールを引いて、計画的に外国人材のキャリアアップを進めることが必要です。
一方、外国人材の雇用・教育に不慣れな担当者の中には「自分たちだけで適切な支援ができるか不安」「外国人材の移行を支援するだけの人的リソースがない」とお悩みの方も多くなっています。
ワールドインワーカーには特定技能外国人の採用・教育に関する深い知見・ノウハウがあります。2026年にリリースした「NIMON」を活用すれば、外食分野の特定技能2号試験への合格をより効率的に進めることが可能となります。
雇用している外国人材に外食業の特定技能2号試験に合格してほしいとお悩みの方は、ぜひワールドインワーカーまでお気軽にお問い合わせください。